ベトナム輸出に注目!市場の魅力と規制について

ベトナム輸出に注目!
市場の魅力と規制について

輸出先として注目のベトナム

ベトナムは投資先、輸出先として今注目されている国です。
2018年の日本の国別輸出額ランキングではベトナムが10位に浮上しました。

この記事では、ベトナム輸出が注目されている理由、ベトナムについてのデータ、日本との関係、EPAや輸入規制など、ベトナムへの輸出に関する情報をご紹介します。

なぜベトナム輸出が魅力なのか?

ベトナムは人口95百万人、面積33万km2の南北に細長い国です。(データは2018年)
東南アジアではインドネシア、フィリピンに次ぐ人口の多さと、平均年齢30歳強の若さで、労働力としても消費地としても注目を集めています。2019年の統計では、トヨタやパナソニック、富士通など、日本から1,848もの企業がベトナムに進出しています。
安くて豊富な労働力のあるベトナムは、魅力的な生産拠点であり、中国からの生産拠点の移管を含め、活発な投資が行われています。

・高い経済成長率

正式国名はベトナム社会主義共和国。
ベトナム共産党が指導する社会主義国家ですが、1995年に市場経済化をスタート。
近年ではアセアン諸国の中でも高い経済成長を遂げており、実質GDP成長率は7.1%と高率です。
一人当たりの名目GDPは2,551ドルとアセアン諸国の中ではまだ低位ですが、高い経済成長により賃金が向上しており、購買力向上による市場拡大が期待されています。

人口、特に若い世代が多く、高いポテンシャルを秘めた市場と言えるでしょう。
民族は90%がキン族、宗教は仏教徒が80%を占め、社会は安定しており治安は良好です。

・ベトナムと日本との関係は?

ベトナム人は親日的だとされています。
理由は、日本がベトナムの最大のODA供給国であることと、敗戦からの復興です。
日本製品に対しては信頼性、競争力、先端技術などの好印象を持っています。

・日本とベトナムの輸出入の実績

ベトナムにとって日本は4番目の貿易相手国です。
上位のランキングは、1位中国、2位韓国、3位アメリカで、安定的に推移しています。
ベトナムの輸出入統計では、日本向けの輸出額189億ドル、輸入額190億ドル。
輸出入とも日本は3位です。
日本からの輸入品目で多いのは、機械設備・部品、コンピュータ電子製品・部品、鉄鋼など。
ベトナムの主力の輸出製品であるサムスン製スマホなどの部品を日本から調達している様子がうかがえます。

・ベトナムと日本のEPAと関税

ベトナムと日本には複数の経済連携協定があります。
・日越経済連携協定(JVEPA):日本とベトナムの2国間のEPA。2009年発効。
・日本・ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP):日本とASEANの多国間のEPA。ベトナムは2008年に締結。
・TPP11協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定、CPTTP):日本とベトナムを含む協定。2019年発効
これらのEPAによる特別優遇関税率が適用されるほか、日本からの輸入品には優遇関税率(MFN) が適用されます。

・EPA特恵関税には原産地証明書が必要

EPAによる特恵関税率の適用を受けるには、原産地証明書が必要です。(US$200以下のベトナムへの輸入は免除)
JVEPAやAJCEPで必要な第一種特定原産地証明書は、日本では日本商工会議所が発行しています。
詳細は日本商工会議所にご相談ください。

・ベトナムの輸入規制

ベトナムへの輸出のときに確認が必要なのがベトナムの輸入規制です。
輸入禁止品目や、検査や必要書類が必要な輸入管理品目などがあり、通関などの手続きはやや煩雑といえます。
このほかにも表示内容や食品衛生など関連する法規制も確認が必要です。

・輸入禁止品目

多くの国で禁止されている武器や爆薬、ワシントン条約の動植物などのほか、ベトナム独自の規制があります。
中古消費財の多くや5年以上使用された中古車は輸入禁止です。
文化製品にはベトナムで禁止されているものがあります。
詳細品目はこちら(1-4ページ)→https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/country/vn/trade_02/pdfs/vn2B010_import_regulation.pdf

・輸入管理品目と輸入許可証

輸入が管理されている品目は多岐にわたります。
輸入クオータがあるのは砂糖、塩、卵、葉巻原料。
植物、食品、医薬品・化粧品、水産物、化学品、文化作品では検査を受ける必要があります。
中古機械・設備では、鑑定機関による検査や、経過年数など一定の条件を充たすことが求められています。

このほかにもセキュリティーソフトや純金を含む多くの品目で、監督官庁から輸入許可証の取得が必要です。
詳細品目はこちら(5-9ページ)→ https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/country/vn/trade_02/pdfs/vn2B010_import_regulation.pdf

・自由販売証明書の管理品目

自由販売証明書(Certificate of Free Sale:CFS)が必要とされる管理品目もあります。
代表的なものは、機能性食品、食品添加物、飲料、薬品、化粧品など。
CFS とは、輸出国内でその製品が一般に販売されていることを証明する書類です。
CFS管理品目の輸出入にはCFSの取得が必要です。
日本では地方農政局(2020年4月より変更)が発行しています。
詳細品目はこちら→ https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/country/vn/trade_02/pdfs/vn2E030_cfs_kanchou.pdf

・ベトナム輸出の期待と注意

ベトナムの産業はこれまで豊富な天然資源(原油、石炭、水、森林や水産物など)が中心でした。
近年中国に集中している生産拠点の移転先として投資が進み、高い経済成長を実現しています。
生産地として発達するとともに、大きな人口を抱える国内市場の拡大が期待され、輸出先としても注目されているのです。
一方で輸出入の手続きの煩雑さや、インフラ不足、南のホーチミン・北のハノイで異なるビジネス風土など、丁寧な取り組みが必要です。

最後に

日本企業の市場進出が進み、今後の発展に注目が集まるベトナム。
これからも日系企業をはじめ、外資系企業の市場進出が更なる経済成長を後押しするでしょう。
実際、コロナ禍でも2020年のGDP成長率は2.9%とプラス成長を維持しており、世界的に高水準の経済成長を遂げています。引き続き経済の動向に注目です。

私たちシングラは、これまでに培ってきたデジタルマーケティングスキルとベトナム市場でのノウハウを活かし、日本とベトナムの架け橋としてベトナムでのビジネスを検討中の企業様のお役に立つことができます。

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