成長し続けるベトナム経済GDPの成長率の推移を解説

成長し続けるベトナム経済
GDPの成長率の推移を解説

アジアの新興国の中でも、とりわけ高い経済成長を遂げているベトナムは、コロナ禍でもプラス成長を維持し、世界から注目されている存在です。近年多くの日本企業がベトナムへ進出していますが、本記事ではベトナムのGDP成長率の推移にフォーカスして解説します。

ベトナムの急激な経済成長

アジアの新興国の中で卓越した経済成長を続けているベトナム。ベトナムの2018年GDP成長率は7.1%を記録し、アジア圏ではカンボジアに次ぐ高い数値となりました。同時期の先進国のGDP成長率は、日本0.8%、アメリカ 2.9%、中国 6.6%であり、ベトナムの経済成長がいかに急激なものであるかがわかります。

ベトナムの2020年上半期GDP成長率は1.81%

ベトナム統計総局の発表によると、2020年上半期(1月から6月)のGDP成長率は、前年同期比1.81%で、大きく減速。第2四半期(4月から6月)および上半期(1月から6月)は、どちらもここ10年間で最低値になりました。

ただし、コロナウイルスの感染拡大によるマイナス成長に陥る国が多い中で、ベトナムはプラス成長を維持。感染拡大の防止のために経済成長を一部犠牲にしたものの、外需の回復が予想以上であったようです。上半期(1月から6月)の貿易は約40億ドルの黒字となっています。

産業分野別GDPを見ると、農林水産業がプラス1.2%、鉱工業・建設業がプラス3.0%、サービス業がプラス0.6%の成長となりました。下半期(7月から12月)はより回復し、GDP成長の改善が期待されています。

また、世界銀行が2020年7月30日に発表したレポートでは、多くの国がCOVID-19の影響を受ける中で、ベトナムの2020年のGDP成長率はプラス2.8%、世界5位になると予測しています。このまま、順調に回復していくと、2021年にはプラス6.8%まで回復し、2022年はプラス6.5%を維持できると見込まれています。

ただし、世界銀行の今回のレポートはコロナの第2波発生の前に報告されたものであるため、2020年の下半期(7月から12月)のベトナム経済の成長率はマイナスに落ち込む可能性が一部エコノミストから指摘されています。

このように、新型コロナの終息が見えない中で、今後についてはさまざまな予測がされているのが現状です。

ベトナムのめざましい経済成長の推移

では、新型コロナ感染症拡大以前のGDPを振り返ってみましょう。

先述のとおり、ベトナム政府の統計では、2018年のGDP成長率は7.1%で、過去10年間の中で最も高い経済成長率を達成しています。2014年から2018年の過去5年間の平均値は約6.56%ですので、2018年は平均値をはるかに上回っていることがわかります。

ベトナムのここ10年間の経済発展についてはよく論じられますが、GDP成長率が5.7%であった2008年から勢いが衰えることなく、非常に堅調な経済成長を遂げていることは明白です。また、2018年の貿易収支は72億ドル(日本円で約7,900億円)と過去最高の貿易黒字を出したことも特筆すべきでしょう。

ベトナムの高い経済成長推移の背景

ASEAN諸国の経済推移は、1997年のアジア通貨危機、2008年のリーマンショックなど、景気が失速する局面がありましたが、そんな中でもベトナムはマイナスに陥ることはなく、1990年代半ばごろから10%に近い高い成長率を維持・達成してきました。

この好調な経済推移の背景には、外資・輸出をテコにした金融政策があります。ベトナムは、中国と同様に、市場経済化を進め、まずインフラ建設により投資環境を整え、外国から直接投資を呼び込み、輸出を拡大させ、工業化を進めてきました。

さらに、金融市場を対外開放せずに、短期資本移動などを厳しく規制する閉鎖的な金融政策により、アジア通貨危機などの海外金融市場の危機による打撃を免れてきたといえます。

最後に

生活水準が上がり、上位中間層と高所得者の割合が増加するベトナムでは、質が良い日本製品の需要がますます伸びています。中国や韓国と比べて競合が少ない今がベトナム市場進出の絶好の機会です。

私たちシングラは、これまでに培ってきたデジタルマーケティングスキルとベトナム市場でのノウハウを活かし、日本とベトナムの架け橋としてベトナムでのビジネスを検討中の企業様のお役に立つことができます。

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