ベトナムの化粧品・健康食品輸入規制を解説

ベトナムの化粧品
・健康食品輸入規制を解説

国際間で売買取引するときは、どんなものでも売買できるとは限りません。輸入禁止のもの、輸入量に制限があるもの、輸入時に検査が必要なものなど、国によって規制があります。本記事ではベトナムの輸入規制の基礎知識を解説します。

ベトナムの輸入規制について

近年著しい経済成長を遂げているベトナム市場ですが、今後さらに多くの海外の企業が参入することが予想されます。
ベトナムで商品を販売する際には、ベトナムの輸入の規制を把握し厳守することが必須です。もし規制を無視すると、ベトナムで事業展開ができないだけでなく、高額な罰則金を課せられることもあります。
そこで、ベトナムへ商品を輸出する際に、どんな規制があるのかしっかり把握しておきましょう。
ベトナムと日本はEPA(経済連携協定)を締結しているため、比較的自由な取引が可能です。といっても、規制がかかる商品は多数存在します。

化粧品や健康食品の規制

化粧品市場、健康食品市場は、ともにベトナムで急成長している市場です。自由貿易化により、関税が引き下げられたことから、シェアを広げています。
ベトナム人は高品質・高機能の商品を求める傾向があることからも、日本企業の参入が増えています。

しかし、アメリカや中国と同様に、ベトナムに化粧品や健康食品を輸入させるためには、FDA(輸入販売認可)を取得する必要があります。

FDAは、ベトナムの現地法人がベトナム保健省で申請し取得しますが、たとえば化粧品の場合、メーカーは以下の書類を用意しなければなりません。
・全成分表(INCI ネーム:化粧品成分の国際名称)
ちなみに、化粧品に使用できる成分は、ASEAN Cosmetic Directive (ASEAN化粧品指令)に記載されています。
禁止成分を含む化粧品についてはベトナムでの流通が禁止、制限成分を含む化粧品については、許容範囲内で許可。

・輸出用化粧品製造届の公証
・ベトナム大使館での認証書類など

FDAを獲得するためには、現地法人を設立するか、代行してくれるベトナム業者を探す必要がありますが、優良なベトナムの業者を探すのも大変です。その際には、弊社のような海外進出支援事業を行なっている会社に委託するという方法もあります。

なお、健康食品については、食品衛生法の規制を受けます。医薬品のみに使用する原材料を含む健康食品は、医薬品医療機器等法の適用を受けます。すなわち食品として輸入することができません。  

また、植物由来の原材料を含む場合は、加工のレベルにより、植物防疫法の規制を受けることがあり、動物由来の原材料を含む場合は、家畜伝染病予防法の規制を受けることがあります。

健康食品については細かな規則がありますので、以下も参照してください。弊社でも健康食品のFDA取得に関してご案内やサポートが可能です。

健康食品調査(ベトナム)「ベトナムでの健康食品の製造・販売に関する規制」

ベトナムの輸入禁止品目とは

多数の国で武器や爆薬、ワシントン条約の動植物などの輸入が禁止されていますが、ベトナムではそのほかに独自の規制があります。
たとえば、ほとんどの中古消費財、または5年以上使用した中古車については輸入禁止です。
規制対象となる商品には、例えば以下のようなものがあります。

・武器、弾薬、爆薬
・中古消費財(電化製品、縫製品、皮革製品、医療器具など、さまざまな分野)
・右ハンドル車
・ベトナム国内で禁止されている出版製品

輸入禁止品目、輸入管理品目については、こちらを参照してください。各商品によって、所轄官庁が違うため、これらの商品を取引する場合は、それぞれの管轄元の輸出入許可が必要です。
国内の産業を保護するために、一定期間、特定の輸入品の数量と金額を制限する輸入割当制(輸入クオータ)については、こちらを参照してください。
ベトナムでは、卵、タバコ、砂糖、塩などの品目については、国内生産保護のため、関税割当が設けられています。国内での生産能力と需要のバランスを見ながら、毎年、商工省が輸入クオータを規定しています。

ベトナムのセーフガード措置を確認

セーフガードとは、輸入品が急増して国内産業に影響が出ることを回避するために、輸入増にブレーキをかけるなどの措置のことです。現在、ベトナムでは、うま味調味料、化学肥料原料などにセーフガード措置が発動されますが、内容は毎年更新されます。
詳しく知りたいときは、ベトナム貿易救済庁のサイトで確認してください。

アンチダンピング措置にも注意

輸出品の価格をベトナム市場の一般価格を下回るほど過度に下げると、ダンピングと判断されます。ベトナムでの価格競争で勝とうとして価格を下げがちですが、アンチダンピング措置があるので注意が必要です。
アンチダンピング措置の情報はベトナム貿易救済庁のサイト上で毎年更新されていますので確認しておきましょう。

最後に

私たちシングラでは、国内マーケティングで培ったノウハウにより、日本とベトナムの架け橋として、ベトナムでのビジネスを検討中のクライアント様を支援しています。ベトナムでの事業展開については、ぜひお気軽にご相談ください。