ベトナム経済発展の起点となったドイモイ政策について解説

ベトナム経済発展の起点となったドイモイ政策について解説

ベトナムの目覚ましい経済発展は世界が注目していますが、きっかけとなったのは、1986年に提唱されたドイモイ政策によるところが大きいといえます。
本記事では、ドイモイ政策により、ベトナムがどのように変化してきたのか、ポイントを解説します。

ドイモイ政策が提起された背景とは


ベトナムは、ベトナム戦争が終結した頃は、まだ貧しい国でした。カンボジア内戦ではポル・ポト政権を倒すため、1979年にカンボジアに侵攻し、さらに同年に中越戦争がおきるなど戦争が続き、国民は疲弊していました。

南北統一後、社会主義国建設を目指しましたが、国がモノの売買を決める、政府主導の計画経済の導入により経済は低迷し、戦争の影響も加わり国民生活は困窮を極めていました。食料は配給制であり、国民は食料を手に入れるために決められた日に指定された場所で待たなければなりませんでした。
このように平等を目標とする共産主義は、歴史を振り返ると、個人間または企業間で自由に競争ができないため、経済発展がしにくいという側面があったといえるでしょう。

そこで政府は、社会主義体制が国の発展の妨げになっているとの考えのもと、1986年に開かれたベトナム共産党大会で、刷新政策を打ち出したのです。
これが「ドイモイ政策」と呼ばれるものです。ドイモイとは直訳すると「新しいものに換える」、日本においては「刷新」と表現されます。

政策が始まった最初の5~6年は、ベトナムドンの通貨価値が下がるインフレになり厳しい時期もありましたが、
1990年代初め頃から経済の安定と成長に成果が少しずつ現れてきました。


ドイモイ政策の内容と成果


ドイモイ政策では、市場経済への移行、社会主義政策の緩和、国際経済協力への積極的な参入などが提唱されました。中でも市場経済の導入は大きな方向転換となりました。社会主義経済に、お金でモノが買える市場経済を取り入れる政策で、経済活動に活気が出てきました。これまで禁止されていた個人営業が奨励されるようになり、私企業や私有財産が認められ、国民は働けば働くほど生活が豊かになり、勤労意欲が増してきました。ドイモイ政策により、国民の意識も大きく変わり、金銭的価値観が一変してきたのです。

遅れていた工業も発展し、農業の生産高も飛躍的に上昇しました。コメでいうと、ベトナムは海外からの輸入に依存していましたが、1989年には、一転して、輸入国から世界3位のコメ輸出国と大きく進化しました。

また、社会主義政策の緩和を実施したことで、1995年にベトナムはASEAN加盟を果たしました。反共産主義国の性格をもつASEAN諸国では、社会主義国であるベトナムの加入が許されなかったのです。しかし、国際社会への貢献をかかげて、ドイモイ政策で社会主義政策を緩和してきたことで、ようやくASEANの一員となることができました。

さらに、海外資本の投資も受け入れ、積極的な対外開放政策をとるようになり、1988年には外国投資法を公布し、外国資本の企業がベトナムで活動できるようになりました。

このようにドイモイ政策を施行したことで、政策の発表直前のインフレ率は年率700%を超えていましたが、1993年には1桁台に落ち着きました。GDPは2000年から2010年の10年間で倍増し、ドイモイ政策は軌道に乗ってきました。現在も政策は継続しており、2018年のGDP成長率は7.1%という高い記録を残しています。


ドイモイ政策の現状と今後の展望


ドイモイ政策が導入されてから約30年が経過しましたが、現状でもベトナム政府は更なる発展に力を入れています。

経済発展に伴い、都市には高層ビルが並び、市場には物があふれています。ハノイやホーチミンを中心に人々の生活レベルは向上し、
平均月収は10年間で3倍に増加、中間所得層の割合が10年で約2倍の48%まで成長しました。
現在の取り組みとして引き続きベトナム政府はさらなる近代工業国家を目指して、高い経済成長を目標とする方針を掲げています。

今後も経済発展を継続させていくには、課題として、人口ボーナス期がまもなく終了することも挙げられます。現在のベトナムは人口ボーナス期であり、生産人口の増加が経済発展に良い面をもたらしていますが、人口ボーナス期が終わる時期を見据えて、経済構造の変革が求められています。

最後に


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