5年連続貿易収支黒字ベトナムの貿易を解説!

5年連続貿易収支黒字
ベトナムの貿易を解説!

ベトナムは市場経済の導入と積極的な経済開放政策により国際経済への参加が進み、貿易でも拡大路線を歩んでおり、19、20年と貿易の黒字幅を更新しています。

本記事では、ベトナムの貿易収支と主な貿易相手国などについて解説します。

貿易収支とは

貿易収支とは、一定期間における、輸出額と輸入額の差異のことです。輸出額が輸入額を上回ると”貿易黒字”、反対に輸入額が輸出額を上回ると”貿易赤字”となります。貿易収支の黒字、赤字は、単純にお金の出入りを表しているだけであり、GDPとは直接関係しません。貿易黒字は、海外にも需要があることを示しており、輸出額が小さくとも、国内の消費や投資が多ければ、GDPの水準は変わらないといえるでしょう。

ベトナムの最新の貿易収支は30億ドルの黒字

ベトナム税関総局の発表によると、2020年9月の輸出額は約271億6300万ドル(前月比1.9%減)、輸入額は約242億400万ドル(同6.5%増)でした。この結果、9月の貿易収支は29億5900万ドル、日本円で約3,130億円の黒字となりました。

2020年1-9月期の輸出額で見ると、2025億7200万ドル(前年同期比4.1%増)、輸入額は1860億5000万ドル(同0.7%減)となり、貿易収支は165億2200万ドル、日本円で約1兆7510億円の黒字を計上しています。

2019年の輸入額で金額が最も大きかった品目は、以下の円グラフで示した通り、コンピューター電子製品・部品で、次いで機械設備・部品、携帯電話・部品の順となっています。

輸入額上位を占めるのは工業製品ですが、消費者向けの製品では表の「その他」に含まれる化粧品の輸入額が近年増えています。実際、2016年に11億ドルだった化粧品の輸入額は2020年には22億ドルを超えると予想されています。2017年時点でベトナム化粧品市場の9割が海外輸入品でうち日本製品のシェアは約10%です。特にヘアケアの分野では日本からの輸入の割合が1位となっており、質の高い日本製品の人気上昇に伴い更なるシェア拡大の可能性があります。

ベトナムの貿易相手国と貿易品目

ベトナムからの輸出相手国は米国が1位となっており、シェア率は約20%、2位が中国で14.5%、3位が日本で8%となっています。米国との貿易で黒字幅が拡大しているのは、携帯電話、縫製品や履物などの輸出が好調なためです。

輸出品目は、洋服や靴、シーフード、電化製品、携帯電話、コーヒー、米、木製品などが中心です。日本への輸出品目で主なものは、縫製品、水産物、輸送機器・部品、機械設備・部品、木材・木製品、履物、プラスチック製品など、多数あります。輸送機器・部品は特に2012年から急増し、日本への輸出品目の2位になっています。

一方、輸入相手国の1位は中国で、シェア率は約26%。2位が韓国でシェア率は20%、3位は日本の7.8%となっています。ただし、品目によって主要の貿易相手国は大きく異なり、化粧品輸入額割合で比較すると、2017年の時点で日本は6位の中国の2倍以上の割合を誇っています。(下記表参照)

ベトナムにおける化粧品輸入額割合
1 韓国 45.8%
2 シンガポール 12.8%
3 日本 11.3%
4 フランス 7.6%
5 米国 4.1%
6 中国 3.6%

(出所:ITALIAN TRADE AGENCY 2017)

ベトナムは2016年にTPPに正式加盟したことで、今後も新たに貿易協定を結び、輸出品目はさらに増えることが予測されます。これにより、国際社会でのベトナムの立ち位置は、より確固たるものになるでしょう。

最後に

日本企業の市場進出が進み、今後の発展に注目が集まるベトナム。これからも日系企業をはじめ、外資系企業の市場進出が更なる経済成長を後押しするでしょう。実際にコロナ禍でも2020年のGDP成長率は2.9%とプラス成長を維持しており、世界的に高水準の経済成長を遂げています。引き続き経済の動向に注目です。

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