ベトナム進出で注意すべきリスクと対策

ベトナム進出で注意すべきリスクと対策

ASEAN加盟国の中でも、近年最も注目されているベトナム。

人口増加が続き、1億人突破も近く、消費市場としても非常に有望であり、働き手となる若い世代が多いことからベトナム進出のメリットが多く取り上げられています。ただ、ベトナム進出にはリスクも伴います。本記事では、ベトナム進出のメリットをおさらいした上で、事業展開に際し注意すべきリスクに注目してその対策を解説します。

ベトナム進出のメリット

1:右肩上がりの経済成長

ベトナムのGDP成長率はここ数年間7%以上で推移し、好調な経済成長を維持。ベトナム統計総局の発表では、2020年上半期のGDP成長率は、コロナウイルスの感染拡大の影響を受け大きく減速しました。しかし、多くの国がマイナス成長に陥る中で、プラス成長を維持し、海外からも注目されています。

2:貿易の自由化

ベトナムは2007年にはWTOに加盟し、自由貿易化も推進しています。それに伴い、税制優遇措置も実施。一部の業種を除いて外資100%進出が可能となり、外国企業を積極的に呼び込む体制ができたこともベトナム進出の際のメリットのひとつと言えます。

3:若くて質の高い労働力

現在のベトナムの総人口は約9,750万人。ASEANの中でも3番目の人口を誇る国となっています。加えて平均年齢が32と若く、優秀な労働者が多いことに加えて、ベトナム国内マーケットでの需要を狙う日系企業にとっては、若者の購買力が見込めることもメリットといえるでしょう。

ベトナム進出のメリットについてはこちらの記事でも詳細に紹介しています。

ベトナム進出のリスクとは

1:不安定な政策や法制

中央政府で決定された事項が、現場に到達するまで時間を要する傾向があり、さらに手続きに際し、場合や状況(商品)によっては長期間の申請になりうるので、事前書類準備の段階で経験のある代行業者を検討しておくなどの対策が必要です。また、政策がたびたび変更されるなど不安定な面があり、不明確な情報に翻弄される可能性があることもリスクのひとつです。特に実店舗販売や大型EC出店に必要な製品登録に時間がかかることがあり、正規輸出を始めるまでに大幅な遅れがあることがあります。

解決方法は現地の法制や規制に精通したビジネスパートナーとの協力やJETRO等の信頼できる機関からの情報を元にベトナム市場への進出を計画することです。現地とのコネクションがあるビジネスパートナーを見つけることで製品登録にかかる時間を短縮できるケースもあります。製品登録に時間がかかり、販売チャンスを逃さないためにも早期から計画的に市場進出することが求められます。

2:マーケットの不透明感と情報収拾の難しさ

ベトナムは経済成長が激しく、市場の状況やトレンドもいち早く変わるため、最新の市場情報を常に把握しておくことがベトナム市場進出の鍵です。ただ、現地のマーケットの最新情報は日本語では見つからず、市場の肌感が掴みづらいことがあります。また、近頃はコロナウイルスの影響で実際に現地に赴いて市場調査をすることも困難です。

対策としては現地に拠点があり、最新の市場情報を掴んでいるビジネスパートナーから情報を獲得し、市場への理解を深めることです。また、現地にコールセンターを構えている企業と連携することで商品に対するベトナム人消費者からフィードバックを得られます。

3:不十分なインフラ整備と環境問題

近年ベトナムのインフラ整備は着々と進んでいますが、それでもまだ舗装されずに、土壌がむき出しになっている道路も少なくありません。

一部の地域では、不十分な物流ルートや電力不足などの問題がベトナムに進出した企業の事業運営に影響を与えていることが報告されています。
インターネットは整ってきてはいますが、日本と比べるとまだまだ遅れていると感じることが多いでしょう。
このような点は、ベトナムでビジネスを始めるにあたり、デメリットになると思われます。

最後に

好調な経済や若くて優秀な人材など、進出する日系企業にとって、ベトナムはメリットの多い、魅力的な国ですが、
政治的なリスクやマネジメントなどの問題点を事前に理解した上で、進出方法などを検討することが大切です。

私たちシングラは、これまでに培ってきたデジタルマーケティングスキルとベトナム市場でのノウハウを活かし、
日本とベトナムの架け橋としてベトナムでのビジネスを検討中の企業様のお役に立つことができます。

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