ベトナム食文化を解説
高い健康意識に商機あり!
ベトナムではコロナ禍以前は外食する家庭が多く、生活習慣病が増加しており、健康を意識する人が増えてきました。野菜を大量に消費する食文化があるものの、農薬などの汚染を気にして、サプリメントや海外の健康食品で代用する流れも出てきており、健康食品市場が急成長しています。今回はそんなベトナムの食文化を解説します。
ベトナムの食文化①:外食が中心
ベトナムでは自炊よりも外食することのほうが多い傾向があります。その理由が価格。ベトナムでは年々食品の価格が高騰していることから、外食したほうが安く済むことも多いためです。また共稼ぎ世帯が大部分のため食事を作る時間はあまりとれません。富裕層は、料理専門の家政婦を雇うケースも多数。一般家庭では時間を短縮するために加工食品や調理済食品を利用するようになっています。
一方で、外食や加工食品の利用が増えた結果、肥満、糖尿病、高血圧などの生活習慣病になる人が増加しています。現在、ベトナム人の死因全体の約8割が生活習慣病と言われており、2015年の保健省の調査によるとベトナム人男性の50%以上が野菜や果物を十分に摂取できていません。そこで、食事制限をしながら気軽に病気予防の成分を摂取するためにサプリメントを利用するベトナム人が増えてきました。サプリメントでは、ビタミンやミネラルなどの基本的な栄養成分が摂取できる商品のほか、がん予防に対する意識からスピルリナに対する関心も高まっています。複数のサプリメントを携帯して仕事中に飲むベトナム人もよく見かけます。
ベトナムの食文化②:健康食品が注目の的
ベトナムでは、フォーやブンのような麺料理、鍋物を注文すると、もやし、レタス、パクチー、シソなど大量の野菜がついてきます。また、生春巻きやベトナム風オムレツに、きゅうりや香味野菜をたっぷり巻いて食べるのがベトナムの定番です。ベトナム人は昔から日本人よりも多くの野菜を摂取してきた歴史があります。
しかし最近は、農薬の過剰散布や、長時間の路上販売による鮮度の低下や大気汚染の影響で、ベトナム産の野菜に対する警戒心が高まっています。ただし、外国から輸入されている野菜の価格は2倍さらには4倍ほどに跳ね上がることもあり、売られているスーパーも限られています。
そこで、野菜を食べる量を減らす代わりにサプリメントのほか青汁や100%野菜ジュースを取り入れるベトナム人が増加。輸入されたスムージー用の粉末も人気の健康商品のひとつです。実際、ベトナムの健康食品市場は急激に成長しており、2015年には市場成長率ASEAN1位を記録しました。経済発展に伴う中間層の拡大と食生活の変化により、健康は現在のベトナム人にとって最大の関心事とも言えます。
ベトナムの食文化③:砂糖の大量消費とお茶に注目!
ベトナムは北部を除いて基本的に一年中暑い国。暑さによる疲労対策のため、砂糖たっぷりのサトウキビジュース、コーヒー、ジュース、タピオカミルクティーなどを飲みます。ベトナムでは売られているペットボトルのお茶に砂糖が大量に入っており、かなりの甘さです。砂糖の摂取により夏バテを防止してきた歴史がありますが、健康意識の高まりとともに近年は飲み物に対する意識にも変化が見られます。
そこで注目されているのが日本のお茶。ベトナムでは、年配者を中心にはすの葉を使ったお茶がよく飲まれていますが、若い世代のあいだでは積極的に飲まれていません。留学、就職、旅行などで日本に滞在した際に日本のお茶を飲んだベトナム人が、母国に帰って飲み続けるケースが目立ちます。ただし、緑茶であっても多少の砂糖を入れる習慣は残っています。
飲料メーカーのサントリーが2013年にベトナムで発売を開始したTEA+ oolong teaも烏龍茶に砂糖を入れたもので、ベトナム人の好みに合わせています。TEA+ oolong teaは「脂肪を落とせる烏龍茶」ということで健康意識の高いベトナム人に大好評。発売から6年でホーチミンのお茶飲料市場で売上No.1となりました。
ベトナムの食文化④:食文化の変化
外国食品の輸入や外資系飲食店の増加は長らく継承されてきた食文化を変化させる要因のひとつとなりました。また、外食中心の食生活による肥満、糖尿病、高血圧などの生活習慣病、がん患者の増加、さらには75歳という先進国よりも短い平均寿命も、国民の健康意識を高め、新しい食文化を受け入れる土壌となっています。
麺文化が根付いているベトナムでは、日本のそばやうどんが、健康によくおいしいと受け入れられています。日本で食べておいしかったからと、納豆が売られているお店を探すベトナム人も少なくありません。日本の食材や料理を好む影響から、日本の健康食品が人気となっていますが、その流れでビューティサプリメントやダイエットサプリメントを日々の生活の中に取り入れるベトナム人女性も多くなってきています。実際に、ベトナムで使用されているECサイトShopeeでも日本のサプリメントが多く購入されています。
最後に
ベトナムの健康食品市場は急激で継続的な経済発展による健康意識の高まりを受けて急成長しており、ベトナムの健康食品消費者数は2005年から2010年で5倍に増えています。
今回の記事では健康意識の高まりがベトナムの食文化を変容させ、健康食品市場を急成長させていることをご紹介しました。偽造品等の流通があるベトナムでは消費者が高品質で信頼できる製品を求めており、高品質の日本製健康食品の需要は大きくなっています。日本企業の競合が少なく、市場参入チャンスが大きいベトナムの健康食品市場は非常に魅力的と言えます。
私たちシングラは健康食品メーカー様をはじめとする日本企業のベトナム市場支援実績が多数ございます。これまでに培ってきたデジタルマーケティングスキルとベトナム市場でのノウハウを活かし、日本とベトナムの架け橋としてベトナムでのビジネスを検討中の健康食品メーカー様のベトナム市場進出・拡販を支援します。
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