ベトナム向け輸出の関税を解説 化粧品・健康食品の税率は?

ベトナム向け輸出の関税を解説 化粧品・健康食品の税率は?

ベトナムへの輸出の検討を始めたら、早めに調べておきたいのがベトナムの輸入関税です。化粧品や健康食品に関税はいくらかかるでしょうか? ベトナムの関税率の調べ方、計算方法と、税金がかからない条件について解説します。


ベトナムの関税の計算方法

ベトナム向け輸出では、ベトナム側の輸入関税がかかります。納付するのは基本的に輸入者であり、輸出ビジネスの競争力を左右する重要な要素となります。

ベトナムの関税のしくみは日本と同様で、商品の種類である品目と、原産地との組み合わせで関税率が決まります。関税がかかる対象はCIF価格(Cost Insurance and Freight=運賃保険料込み条件)となっており、商品代金+保険料+輸入港までの運賃で算出されます。

そして、関税の金額は「CIF価格×関税率」の式で計算を行いますので、以下の方法で税率の確認が可能です。

1、 輸出する商品のHSコードの初めの6桁を確認します
日本の実行関税率表 (https://www.customs.go.jp/tariff/index.htm)

2、 World Tariffに輸出先を入力し、該当するHSコードを選びます。その後税率が表示されます。

※World Tariffの使用はユーザー登録が必要となります。日本居住者はJETROページから無料で登録可能ですので、こちらからご利用ください(https://www.jetro.go.jp/theme/export/tariff/registration.html

※HSコードの判定は難しく、正確にはベトナム税関への確認が推奨されます。関税とEPAの基礎知識を確認したい場合は、こちらの記事をご参照ください。https://www.syngula.co.jp/2020/10/21/vietnam-tax-epa/

上記の方法で関税率を調べると、複数の税率が表示されます。例として、化粧品のフェイスパウダーのHSコード「3304.91」で調べてみましょう。
「MFN 22%」という表記と、ほかに原産国別の税率(Duty Rate)が書かれています。原産国(Country of Origin)が日本なら、「Free」つまり関税率は0%です。


ベトナムの輸入関税

ベトナムの関税には ①標準関税率 ②優遇関税率 ③特別優遇関税率 の3種類があります。日本からの輸出品には原則、②優遇関税率(MFN)を適用します。ただし、EPA(経済連携協定)の条件を充たす場合に限り、③特別優遇関税率が適用されます。

経済連携協定について

ベトナムと日本との間には、日越経済連携協定(JVEPA)、日本・ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)、
環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(TPP11協定、CPTTP)の3つの経済連携協定が締結されています。
適用するEPAによって税率が違い、輸出品目の税率が一番低いEPAを選択可能です。原産国を判定するルールも違うので、EPAごとに原産地規則を確認してください。また、EPAの適用を受けるには原産地証明書が必要です。JVEPA・AJCEPとTPP11協定では手続きが異なります。適用するEPAを事前に確認し書類を準備しましょう。


化粧品・健康食品の税率は?

ベトナムへの輸出でどのくらいの税金がかかるか、化粧品と健康食品を例に見てみましょう。
化粧品は関税の税率が0%~22%。原産国が日本なら0%です(※)。
健康食品は商品により異なりますが、HSコード「2106.90.72」にあたるサプリメントでは関税率が0%~15%。原産国が日本なら0%です。
※原産国の証明のため原産地証明書が必要ですので、ご留意ください。
このほかに、日本の消費税にあたるVAT(付加価値税)10%と、酒類(アルコール度数20度未満の日本酒)の場合は更に特別消費税35%がかかります。

 

税金がかからない条件は?

税金がかからない条件はあるでしょうか?ベトナムの輸入関税が免除されるのは、加工貿易で輸出する製品の部品などです。現在は個人輸入や少額貨物の特例はありません。ベトナムの人への贈答品や、手荷物での持ち込みの場合には、500万ドン(約2万3千円)相当までの商品であれば免税になります。
国際宅配便(DHLやFedExなど)や国際郵便のEMSを使う場合には、100万ドン(約5千円)以下の輸入品の関税・付加価値税は免除になっています。

金額条件は年次で更新される場合がありますので、最新の情報をご確認ください。

DHL: https://www.dhl-eucustoms.com/ja-JA/useful-links.html

FedEx: https://www.fedex.com/ja-jp/shipping/rates.html

EMS:  https://www.post.japanpost.jp/int/use/writing/ems_customs.html

 

私たちシングラは、国内とベトナムでの豊富なマーケティングノウハウを生かし、日本とベトナムの架け橋として
ベトナムへの事業展開を支援いたします。 ぜひお気軽にご相談ください。