ベトナムに対する日本のODAプロジェクトとは?

ベトナムに対する日本のODAプロジェクトとは?

 

  • ベトナムと日本をつなぐODAとは

ODAとはOfficial Development Assistanceの略。日本語にすると政府開発援助のことを指します。日本をはじめとする先進国は、政府や政府関係機関のリーダーシップにより国際的な開発活動を展開し、開発途上地域をとりまく問題の解決に取り組んでいます。

ODAによる活動の種類は、それぞれの国の事情により異なります。たとえば、安全な水を飲むための設備の整備、空港、鉄道、道路などのインフラ整備、難民に対する人道的支援から、公的資金の援助などが該当します。

ODAの提供形態は二国間援助と多国間援助の2つに分けられます。二国間援助の資金提供の方法は、有償資金協力、無償資金協力、技術協力の3つがあり、対象国の発展の度合いにより使い分けられます。また、青年海外協力隊やシニア海外ボランティアの派遣事業も、「その他」に区分されるODAに位置づけられています。
多国間援助には、国連児童基金(UNISEF(ユニセフ))や、国連開発計画(UNDP)への搬出や、世界銀行などへの搬出、出資などがあります(図1)。

 

  • ベトナムに対する日本のODAの歴史

ベトナムに対する日本のODAは、技術協力と資金協力を組み合わせたもので、資金協力は有償無償を問わず実施しています。日本がベトナムに対してODAをスタートさせたのは1992 年。経済発展にかかわる人材育成のために技術を提供、交通や生活のインフラを整備するために資金を提供してきました。

日本はベトナムにとって最大の支援国のひとつであり、政府が方針を立て、JICA(国際協力機構)が実施するという体制がとられています。日本がこれほど積極的にODAを実施してきたのは、ベトナムを支援することで日越関係を強化し、経済活動や人材交流を活性化するという狙いによるものです。

日本のODAにより整備された施設等は多岐にわたりますが、ハイフォン市のラックフェン国際港、ハノイ・ハイフォン間の高速道路、ホーチミン市の水道関連事業、ベトナム南北縦断高速道路(ダナン・クアンガイ間)などが挙げられます。これらは現在もベトナムの社会や経済発展の基盤となっています。

 

『日本からベトナムのODA 』

例1:ニャッタン橋

日本からベトナムのハノイに行くとき、その玄関口となるのがノイバイ国際空港。近代的なデザインが目を引く新しい空港ターミナルに驚く人も多いでしょう。そこから高速道路を利用して、紅河と呼ばれる大河を越えていくと約20分でハノイ市内に到着します。日本人旅行者がハノイに来たら、多くの人が利用するルートです。

このルートでハノイ市内に向かうには、紅河に架けられているニャッタン橋を通過する必要があり、今や多くの人に欠かせない道となっています。実はこの橋は日本からのODAにより整備されたもの。世界最大規模の斜張橋であるニャッタン橋に誇りを持つハノイ在住のベトナム人は多く、日本の支援により建設されていることも周知の事実です。

 

例2:タンソンニャット空港

日本からホーチミンを訪れる際に降り立つのがタンソンニャット国際空港です。ベトナムでは80年代後半から急速に経済が成長し、航空旅客が予定数を大幅に超える事態となりました。規制緩和によるさらなる企業進出が見込まれていた日本は、航空需要に対応するためにタンソンニャット空港の整備に協力し、国際旅客ターミナルおよび関連施設を建設しました。また、さらなる旅客の増加に対応するため、導線や手荷物送出システムの改善にも取り組んでいます。

2007年には、日本のODAによる新しい国際旅客ターミナルが開業しました。その結果、国内線と国際線を合わせて1,300万人の利用が実現しました。このときのODAは、観光旅行者の往来のほか、ビジネスや物流など日本とベトナムの交流をさらに加速させることに貢献。その成果もあり、ホーチミンで事業を展開している日系企業の拠点は2000に届く見通しです。

今回は日本からベトナムへ実施されたことのあるODAについて解説しました。今後旅行の機会があれば、ぜひ日本のODAにより整備されたものを見てみてください。

私たちシングラは、国内とベトナムでの豊富なマーケティングノウハウを生かし、日本とベトナムの架け橋としてベトナムへの事業展開を支援いたします。 ぜひお気軽にご相談ください。