ベトナムに進出している日系企業とは?内訳や進出の背景を解説

ベトナムに進出している日系企業とは?内訳や進出の背景を解説

日系企業の進出意欲が高いベトナム

2019年には、ベトナムに対する日本の直接投資の認可件数は過去最多を記録し、日系企業にとってベトナムは、ASEAN諸国のなかでもとくに進出意欲が高い国となりました。アメリカと中国のあいだで貿易摩擦が激しくなったことを受けて、ベトナム進出に対する意欲が高まったと言われています。
アメリカが中国に対して輸入関税の引き上げを実施した結果、これまで中国に拠点を置いてきた日系企業は、生産拠点の見直しを余儀なくされました。中国から生産拠点を移管する動きが出てくるなか、受け皿のひとつとなったのがベトナムです。中国と国境が隣接していることや、ベトナムの豊富で安価な労働力が、日系企業の進出を後押ししました。
ジェトロが2019年8月から9月にかけて行った調査によると、今後のベトナム事業展開の見通しについて「拡大」と回答した日系企業が63.9%にも上り、 日系企業の進出意欲がきわめて高いことが分かりました。

 

ベトナムの日系企業数は?

日本の外務省が公表した、2017年10月1日時点におけるベトナムに進出している日系企業数は1,816社(海外進出日系企業実態調査・平成30年要約版)となり、国・地域別ランキングでは前年の7位から6位に昇格するなど、日系企業のベトナム進出が加速していることが明らかになりました。
ベトナム進出している日系企業数のなかで現地法人は約1500社、本店は約800拠点、その他が支店や合弁会社となっており、現地法人の数が圧倒的に多いことがうかがえます。

また、1年後の2018年に同じく外務省が公表した調査結果によると、同年10月の時点でベトナムに進出している日系企業は1,920拠点。1年の間で1,000以上も拠点が増えました。とくに日系企業の進出が目立つのが商業都市ホーチミンで、1,143拠点で事業が展開されています。それに続くのが首都ハノイの777拠点となりました。当時ベトナム在留の日本人の数は22,125人となっていましたが、2020年には2万3,437人に増加しており、今後も増えることが予想されます。

ジェトロの調査(2019年)によると、ベトナムに進出している日系企業は大企業よりも中小企業のほうが多い傾向です。最近はとくに、より積極的に事業拡大に挑戦する、創業年数が10年以内の若い日系企業が増えているようです。

 

ベトナムの日系企業の内訳

ベトナムにおける日系企業の進出の歴史は、大手製造業をターゲットとする工業団地建設に始まります。製造業の誘致が落ち着いてくると、保険や金融などのサービス業の進出が広がりました。また、日系企業のIT需要の高まりをうけて、ICT企業やICT人材育成のサービスを提供する会社も増加し、オンラインシステムを構築するための開発の拠点をベトナムに置く、いわゆるオフショアと呼ばれる取り組みも増えてきました。

自動車・バイクメーカー、機械メーカー、製薬会社、化粧品会社、小売業の会社など、現在の日系企業の業種は多岐にわたります。なかでも注目したいのが小売業の躍進です。ベトナムでは、2009年から小売事業に対する規制緩和が進められ、外資100%で参入することが可能となったからです。その象徴となるのがイオンモールの進出です。首都ハノイにはロンビエン店とハドン店、ホーチミンにはビンタン店とタンフーセラドン店、隣接するビンズオン省にはビンズオンキャナリー店と、ここ数年は出店ラッシュが続いています。イオンモールはじめ日本製品も取り扱う販路が増えており、イオンモールそのものが販路拡大の場となるため、日用品や健食、化粧品など日本製品を扱う企業の進出が加速していることも注目ポイントです。

 

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