ベトナムで流通している化粧品ブランドとは?
ベトナム国内で消費されている化粧品の90%が外国からの輸入品といわれていますが、実際現地で購入されている化粧品には、どのようなものがあるのでしょうか?
本記事では、ベトナムにおける国産化粧品と輸入化粧品について、その特徴をご紹介します。
ベトナム化粧品市場について
ベトナム化粧品市場拡大の要因とは何でしょうか?その理由の一つとして、継続的な経済発展による中間層の拡大、特に化粧品に強い関心を持つ女性を中心に、20〜50歳の年齢層の割合が増加していることが挙げられます。
また、近年では特に健康食品の消費市場も拡大しており、そのような背景から美容・健康商品に対する全体の意識が上がっているとも考えられます。
Statistaが2021年に発表したレポートによると、東南アジア全体で韓国コスメは圧倒的な人気を誇っており、ベトナムも例外ではないという結果となっています。
東アジアはベトナムの強力な輸入先であり、2020年のベトナムの化粧品輸入額は6000万ドルにものぼりました。韓国の他にはタイや日本なども強力なパートナーとして地位を確立しています。
化粧品市場の競争は年々激化しており、加えて消費者の美容意識の高まりから、商品に求められるレベルは上がっており、地場の化粧品ブランドは未だ同市場における目立ったシェアを獲得できてはいないのが現状です。
ベトナム国内化粧品ブランドの状況
現状、輸入化粧品がシェアを大きく占めている中でも、香水ブランドのMiss Saigon(ミスサイゴン)は、売上総利益伸び率(年平均)が+30%と高く、売上高のうち、国内販売は60%、その他の40%はカンボジア、タイ、ラオスなどの輸出となっています。
また、Thorakao(トラカオ)はベトナムの老舗スキンケアブランドで、クレンジングジェルなどが主力商品です。こちらのブランドのメーカーであるLan Hao社も、近年輸出に注力しています。
この2社は国内市場で健闘しているものの、市場の多くを占める海外メーカーとの争いが厳しく、輸出向けに転じていると考えられます。ベトナム国内では、品質の向上に努め、オーガニック商品を独自に開発している企業も出てきていますが、パッケージデザイン、ブランド PR などは海外ブランドに対抗するレベルに達していないのが現状です。
そのほか下記のような国産ブランドが人気を誇っており、それぞれに特徴があります。
1、M.O.I cosmetics
若い女性を中心に人気が高まっているブランド。特にリップアイテムが人気で、可愛いパッケージも好評です。
2、SKINNA®
クレンジングオイル、フェイスマスクなど、フェイスケア用品が充実しているブランドです。
3、THORAKAO
アロエベラやマンゴスチンなどの天然成分配合のクレンジングミルクが人気
パッケージもオシャレですが、洗浄力はあまり期待できないようです。
4、Green Garden
ナチュラルソープのブランド。コーヒーやビールといった珍しいフレーバーソープがあります。
5、talala.
100%ベトナム産の原材料使用のヘア&ボディケア商品のブランドです。
ベトナムで人気の海外化粧品ブランドは?
ベトナムで流通している輸入化粧品の中で最もシェア率が高い化粧品ブランドは韓国のブランドです。数ある韓国の化粧品中でも、特に以下のブランドはクオリティーが高く、値段も比較的安いため人気があります。
・The Face Shop(フェイスショップ)
・innisfree(イニスフリー)
・Nature Republic(ネイチャーリパブリック)
・MISSHA(ミーシャ)
・ETUDE HOUSE(エチュードハウス)
・O Hui(オフィ)
・Laneige(ラネージュ)
・Skin Food(スキンフード)
フェイスショップはハノイに多数の店舗があり、お手頃な価格で購入できるので若者に人気です。
イニスフリーは、済州島の自然由来の成分をもとに作られている注目のオーガニックコスメブランドです。
そのほか各国の輸入化粧品で、人気のブランドは以下のようなものが挙げられます。
“欧米”
・Clinique(クリニーク)
・Maybelline(メイベリン)
・Estee Lauder(エスティローダー)
日本でもお馴染みのメイベリンは、日本よりも安く買えるようです。ベトナムのドラッグストアでは、15%~23%offで購入できることもあります。
“イギリス”
The Body Shop(ボディショップ)
“フランス”
・Lancôme(ランコム)
・L’Occitane(ロクシタン)
・LOreal Paris(ロレアルパリ)
“日本”
Shiseido(資生堂)
Kosé(コーセー)
Kanebo(カネボウ)
Shu Uemura(シュウウエムラ)
SK-II(エスケーツー)
Menard(メナード)
Cezanne(セザンヌ)
Naris(ナリス)
経済的に余裕がある女性は、資生堂、SKⅡ、コーセーなどの日本の高級化粧品ブランドを愛用しています。また、経済成長や人口構造の変化により、中間所得層が増加しているため、このようなハイブランドを好む女性が一定数いることも傾向の一つです。
対して、学生など収入が不安定でコストパフォーマンスを重視する層には、韓国ブランドやフランスのブランドの中でも比較的安く購入できるロレアルパリが支持されています。
このように、所得層によって多少の違いはあるものの、近年上昇傾向にある化粧品の需要。美容商品の輸出を検討する際には、ターゲットや事前調査(モニターなど)が非常に重要となってくるでしょう。
私たちシングラでは、国内とベトナムでの豊富なマーケティングノウハウを生かし、日本とベトナムの架け橋としてベトナムへの事業展開を支援いたします。 ぜひお気軽にご相談ください。