人口ボーナス期ベトナム人口構成と将来予想を解説

人口ボーナス期ベトナム
人口構成と将来予想を解説

働き盛りの若い人材が多いベトナムでは現在人口ボーナス期を迎えていますが、一方で近年の出生率は低い傾向にあります。今後のベトナムの人口増加、人口構成はどう変わっていくでしょうか?人口ピラミッドも参照しながら解説します。

ベトナムの人口は右肩上がり!?

統計総局の2019年12月の発表では、2019 年 4 月 1 日時点のベトナムの人口は、9,620万8,984人。そのうち男性が49.8%、女性が50.2%と報告されています。また人口センサスの速報値によると、9,768万人というデータもあり、1億人の人口に着々と近づいていており、国家統計局は2029年には1億270万人に達すると予測しています。

近年、ベトナムは人口ボーナス期を迎えています。人口ボーナス期とは、労働生産人口比率が高い状態を指します。つまり、働いて経済を支える15 歳以上 65 歳未満の人口の比率が圧倒的に高い状態です。人口規模では、ベトナムは世界15位、東南アジアでは3位(1位:インドネシア、2位:フィリピン)となっており、人口規模でも大国になってきています。

下記のグラフを見るとベトナムの人口が右肩上がりであるとわかります。

(出所:WWW.CEICDATA.COM|CEIC DATA)

ベトナムの人口ピラミッドの特徴

人口ピラミッドとは「年齢別人口構成図」のことです。男女別、年齢別に人口の比率を表したグラフで、中央に縦軸を引き年齢は0歳から100歳+までを設定し、左右に男女別に年齢ごとの人口の割合を棒グラフで表しています。

通常、出生数が多く、年齢を重ねていくほど死亡者が増えることで人口が少なくなるため、グラフの形がピラミッド状になることから、ピラミッドという言葉で呼ばれています。

ただし、日本を含む先進諸国においては、医療が発達していることや少子化の影響もあり、三角形のピラミッド状にならず、釣り鐘形または壺形になる傾向があります。特に日本は超高齢化社会を迎えており、その形は顕著です。

以下のグラフは、2019年のベトナムの人口ピラミッドです。

出典:世界の人口ピラミッド(1950~2100年)

このピラミッドを見ると、25~29歳、30~34歳の年代の人口比率が最も高いことがわかります。65歳以上の高齢者層がかなり少ないのはベトナム戦争の影響と考えられています。このピラミッドの形は、30~40年くらい前の日本の構図と似ていると考えられるでしょう。

このように、ベトナムの人口構成は若年層が多いことが特徴ですが、IMFの予測では、今後数十年の間にベトナムの人口は急速に高齢化し、年金制度改革が優先課題となるだろうと指摘されています。

(出所:国連人口予測)

ベトナムは「若い人が多い元気な国」というイメージがあり、高齢化問題とは無縁のように思われます。しかし、合計特殊出生率のグラフからもわかるように、若者層が徐々に減少しています。高齢化社会が意外に早く来ることが予測されており、2040年頃には人口ボーナス期が終わりを迎えると言われています。そのため、高齢者向けビジネス関係の企業の多くがベトナム市場に注目しだしており、中高年層をターゲットとした化粧品や健康食品の売上も好調です。

最後に 

人口ボーナス期が続き、今後の発展に注目が集まるベトナム。これからも日系企業をはじめ、外資系企業の市場進出が更なる経済成長を後押しするでしょう。実際にコロナ禍でも2020年のGDP成長率は2.9%とプラス成長を維持しており、世界的に高水準の経済成長を遂げています。引き続き経済の動向に注目です。

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