注目ベトナム健康食品市場経済発展と健康意識が要因

注目ベトナム健康食品市場
経済発展と健康意識が要因

ベトナムでは健康意識の高まりから、健康食品市場が拡大しています。人気がある品目は日本と似ていますが、スピルリナが絶大な人気を誇っていることはベトナム市場の特徴です。健康食品は店頭に加えオンラインでの購入も多くされており、日系大手健康食品メーカーもFacebook上で販売促進を行なっています。

ベトナムの健康食品市場①:高まりつつあるニーズ

ベトナムで健康食品が輸入され始めたのは1999年。この時期は健康食品を生産するローカル企業はわずか13社ほど。そのため、大部分は海外からの輸入に依存していました。国内のサプライヤーが急速に増えたのが2017年。4000社以上が健康食品の製造に着手した結果、市場の約60%が国内産となっています。

【参考】拡大する健康食品市場 健康が「国民の関心」1位に

ベトナム人が健康に興味を持つようになった理由のひとつが環境問題です。ベトナムでは経済の発展に伴い、排気ガス、川や土壌の汚染などの問題が日増しに大きくなっています。汚染された魚や肉を食べたことによる健康被害が報道されることも少なくありません。理由の二つ目が経済発展による所得の増加です。国民の所得が増加し、中間層が増えたことで健康食品を購買できる層が広がりました。以上の背景から、健康食品市場が一気に拡大しました。

実際、ベトナム国内の健康食品消費者数は2005年から2010年の5年間で100万人から570万人と5倍に急成長しています。2015年の市場規模は約1,900億円で市場成長率はASEANで1位を誇ります。

ベトナムの健康食品市場②:人気がある品目

ベトナムで圧倒的人気を誇る健康食品の品目がスピルリナ。ベトナム人のあいだではがん予防に良いと言われており、日常的に飲む人が増えています。とはいえ、かなり高額であることから実際に飲んでいるのは富裕層が中心。価格が下がることで、さらに市場が拡大することが予想されます。

ビタミン剤は比較的安価な値段で買えることから、日ごろから使用している健康食品です。ドラックストア等に行くと、現地製と一緒に日本製のサプリメントも並んでいます。日本人が飲むことが多いミネラル、カルシウム、セサミンなどの定番商品も比較的手ごろな価格で年齢を問わず幅広く浸透しています。

美肌やアンチエイジングに対する探究心が非常に強いベトナムでは、コラーゲンやプラセンタなど美肌関連商品の市場も拡大中。現地企業のほか日本製や韓国製の商品の人気があります。日本のドラックストアでよく見かける企業が製造した美肌成分のサプリメントやパウダーは、女性を中心になじみ深い存在となっています。

ベトナムの健康食品市場③:オンライン購入が浸透

(出所:W&S Joint Stock Company)

ベトナムはECサイトが普及しており、店頭だけではなくオンラインで商品を購入する人も目立ちます。W&S Joint Stock Companyの調査によると、ベトナム人消費者は健康食品購買時にインターネットを主な情報源としており、他の東南アジア諸国と比較してもその割合が多くオンライン購買が浸透していることがわかります。そのため、ベトナム健康食品市場に参入する際にはオンライン上での広告施策が必須です。主なプラットフォームはLazada、Shopee、Facebookなどが挙げられます。

東南アジアのAmazonと言われるLazadaは、シンガポールに拠点があるラザダグループにより運営されているECサイト。東南アジア6カ国で展開されており、ベトナムもそのひとつです。日用品、家電、ファッションアイテムに加え、サプリメント等の健康食品も充実しています。

【参考】Lazada ECサイト

同じくシンガポールで設立されたShopeeも、多数のベトナム人ユーザーを抱える大型ECサイトです。ファッションアイテムが充実していることから若者の利用が多いことが特徴ですが、Lazadaと同様に健康食品も取り扱われています。国外からの出店はLazadaは大手に限定されているのに対して、Shopeeはアカウント取得が比較的容易なため、アカウントによっては日本からも出品可能です。

【参考】Shopee ECサイト

【参考】Shopee 日本語アカウント申請ページ

ベトナム国内で人気があるスピルリナや大手企業の健康食品については、旅行・留学・就職などで渡航したベトナム人が日本でまとめ買いして個人で販売することも日常的に行われています。とくにFacebookは、気軽に宣伝できることから個人売買のプラットフォームとなっています。

ベトナムの健康食品市場④:日本の中小企業も進出

ベトナムの健康食品市場では総じて日本の製品が人気です。サントリー、資生堂、DHCなどの大手日系企業は健康に関心が高いベトナム人に高い認知度を獲得しています。同時に、日本では全国区ではない中小企業の商品が評判になることもあります。日本から帰国したベトナム人が母国で自分の使用体験を周囲に話し、口コミで評判が広がるという具合です。ベトナム人にとって、大手でも中小でも日本製という信頼があるため、会社規模にかかわらず進出の余地がある市場です。

最後に

ベトナムの健康食品市場は急激で継続的な経済発展による健康意識の高まりを受けて急成長しており、ベトナムの健康食品消費者数は2005年から2010年で5倍に増えています。 

今回の記事では健康食品市場の概要とトレンドをご紹介しました。偽造品等の流通があるベトナムでは消費者が高品質で信頼できる製品を求めており、高品質の日本製健康食品の需要は大きくなっています。日本企業の競合が少なく、市場参入チャンスが大きいベトナムの健康食品市場は非常に魅力的といえます。 

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