経済成長著しいベトナムの労働市場を解説

経済成長著しいベトナムの労働市場を解説

9,700万人に及ぶ人口を有し、平均年齢の低さ、若い労働力が高く評価されているベトナム。2020年はコロナによる影響で多くの国の経済がマイナス成長に見舞われましたが、ベトナムのGDPは+2.91%とプラス成長を維持しました。経済成長を誇るベトナムにおいて、労働市場の魅力とともに、その特徴について解説します。

 

ベトナムにおける若年層の豊かな労働力

ベトナムの人口は、2020年時点で約 9700万人とされており、現在総人口約 1.2億人と言われている日本に迫る勢いで増加しています。

労働人口も年々増加傾向にあり、2017年の男性労働人口は約 2,800万人、女性労働人口は約2,600万人と、全体の労働人口に対する男女比は極めて近いものとなっています。

2017年時点での女性労働参加率女性が71.8%というのは、他のアジア諸国と比較してもきわめて高く、大きな特徴として挙げられます。

また、JETROが発表している2021年1月のデータによると、平均年齢は31歳となっており、 25~29歳の世代が最も多くなっています。

 

国際参入で課題の残る労働力の質

ベトナム人は識字(文字を読み書きし、理解する能力)率が90~95%と高く、東南アジア諸国の中で最高の評価を得ています。基礎教育が普及し、人材の質が高いことなどから、JETROの調査でも企業から人材の質を問題視する声はほとんど出ていないようです。

このように安定的で豊富な労働力を持ち、現在人口の黄金期にあるベトナムですが、国際参入過程においては、新しい試練に直面しています。

ベトナムでは、就職に対する技術をサポートするなど、労働行政全般を担う労働傷病兵社会省 (Ministry of Labour, Invalid and Social Affairs - MOLISA)がさまざまな訓練の機会を提供していますが、世界的に見るとそのレベルはまだ高くありません。

ハノイで開かれた第18回アジア国際シンポジウムでは、ベトナムのフック首相が「ベトナムの職業訓練は国際基準を満たすことが重要である。」と主張したように、国際参入過程における人材育成の重要性が問われています。

海外企業から注目が集まるベトナム

2020年にJETROがベトナムの日系企業に対し行った調査結果によると、月額基本給の中央値が216ドル、そして平均値が236ドルという結果になりました。

タイ、インドネシア、マレーシアなどに続き7位となっており、東南アジア主要国の中でも比較的低いことがわかります。

さまざまな理由から外資企業の投資の対象はこれまで中国が筆頭でしたが、ここ数年、中国以外にも投資先を拡大する動き(チャイナプラスワン)が高まっています。この動きの中でも、特に安定した労働力と安価な人件費、政治情勢などのメリットを生かし、海外進出先として投資家の注目を集めている国がベトナムです。

 

拡大する労働者派遣

2000年代から台湾、韓国、日本へのベトナムの労働者派遣が活発になり、ベトナム人の働き先は今や国も職種も多種多様となっています。海外派遣労働者数は年々増加し、2019年には15万2,530人が派遣され、日本と台湾が派遣先として全体の9割を占めています。

特に日本においては、厚生労働省の2020年10月度公表によるとベトナム人労働者数は前年比+10.6%増の約44万4,000人となり、全体の25.7%を占め、国籍別で中国を抜いてトップに立っています。コロナ禍に突入してもなお増加率も最も高く、労働力の受け入れや投資先として結びつきはますます強くなっていくでしょう。

 

最後に

私たちシングラは、これまでに培ってきたデジタルマーケティングスキルとベトナム市場でのノウハウを活かし、日本とベトナムの架け橋としてベトナムでのビジネスを検討中の企業様のお役に立つことができます。 

成長著しいベトナム市場への進出をご検討でしたらぜひお気軽にご相談ください。 

 

 

参考URL

https://www.pref.okayama.jp/uploaded/life/330052_1523225_misc.pdf

https://www.viet-jo.com/news/statistics/191221083022.html

https://vovworld.vn/ja-JP/%E8%A7%A3%E8%AA%AC/%E3%83%98%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%A0%E3%81%AE%E4%BA%BA%E6%9D%90%E3%81%AE%E8%B3%AA%E7%9A%84%E5%90%91%E4%B8%8A-803132.vov

外国人労働者の市場規模と人口。増加するベトナム人と新たなビジネスチャンス

https://global-saponet.mgl.mynavi.jp/culture/363

https://www.jil.go.jp/foreign/report/2019/pdf/19-03.pdf